-
野沢裕「→□←」 / Yutaka Nozawa “→□←”
¥4,950
*English follows Japanese. *11月中旬発送予定。 - 2024年10月29日発行 22.1×18.9cm/丸背上製本/日英バイリンガル/本文96頁+冊子12頁 ISBN: 978-4-910794-14-3 C0072 美術家・野沢裕によるアーティストブック。 イメージとそれが投影される空間や境界を行き来しながら複数の時空間と偶然性を呼び込み、主に写真や映像、インスタレーションの形式で作品を発表してきた野沢裕は、近年は絵画を用いた作品制作にも取り組んでいる。 本書は、スペイン滞在中に野沢が制作した10部限りの書籍『→□←』(2014)を基に、その後の10年の歳月の中で得られた写真を用いて同じ形式のもと、新たに構成した新刊である。 日々の制作の覚書のように記録された写真は、影の線、鳥の群れ、鏡の反射、カーテン、視線、円など、シンボリックな表象があるようでいてそれらは物語を包摂する形象ではなく、鑑賞者の眼差しと意識がフレームの中と外を往還することのできる窓として機能する。 些細な驚きの潜む情景やシルエットから、どこかユーモラスな連関を感じとることができる本書は、連続的で終わりのない遊びへと読者を誘う。 本書に寄せて、東京大学大学院総合文化研究科教授の桑田光平氏(現代フランス文学、表象文化論研究)による論考、および作家が在学したマドリッドのIED(ヨーロッパ・デザイン学院)で写真を教えていたリカルド・カセス氏(写真家)の書き下ろしの詩を収録する。 ーー複雑さに対する感性を研ぎすまさなければ、現実とともに私たち自身も単純なかたちになってしまうからだ。のっぺりとした単純な生の形式から脱出し、よく見ると入れ子状になった複雑な現実の中で、遊び続けることが大切だ。(本書への寄稿より・桑田光平) - 執筆:桑田光平、リカルド・カセス 翻訳:池澤加那、カジェタノ・リモルテ デザイン:野沢裕、本庄浩剛 造本設計:本庄浩剛 印刷:八紘美術 製本:博勝堂 - 2024/10/29 22.1×18.9cm / Round Back Binding / English and Japanese / 96 pages + 12 pages (booklet) Moving back and forth between images and their projections and boundaries, invoking multiple time and space and coincidences, Yutaka Nozawa has been creating his works mainly in the form of photographs, videos, and installations. In recent years, he also incorporates paintings into his practices. Based on “→□←” (2014), which Nozawa published only 10 copies during his stay in Spain, this book is the artist book newly composed under the same format, using photographs taken since then for 10 years. The photographs, which were taken as daily documentations of his production, include lines of shadows, flocks of birds, reflections of mirrors, curtains, gazes, and circles. Those may often be said to be symbolic motifs, but they are not figures that encompass a narrative in Nozawa’s works. Actually, they are windows that allow the viewer's gaze and consciousness to move in and out of the frame. Between scenes and silhouettes in his photographs with subtle surprises, the readers can perceive somewhat humorous linkages that invite us into a continuous and never-ending play. Contributing to this book, we also include newly written essay by Kohei Kuwada, Professor of Graduate Schools of Arts and Sciences, The University of Tokyo (Modern French Literature, Culture and Representation Studies) and a poem by Ricardo Cases (Photographer) who had taught photography at IED where Nozawa studied during his stay in Spain. ーBecause if one doesn’t enhance one’s sensibilities for complexity, reality and even ourselves become of a simple shape. It is important to escape from the flat and plain form of life and continue to play in the complex reality that, upon closer look, you realize is nested. (From the essay by Kohei Kuwada) - Text by : Kohei Kuwada, Ricardo Cases Translation: Kana Ikezawa, Cayetano Limorte Menchón Design: Yutaka Nozawa, Hirotaka Honjo Book Design: Hirotaka Honjo
-
oar review #2 – 大石一貴「空白の味方」 / Kazuki Oishi “The nature of emptiness”
¥880
*English follows Japanese. - 2024年9月20日発行 B6判(18.2×12.8cm)/48頁+図版14頁 ISBN: 978-4-910794-13-6 C0070 作家と協働してアートブックを主に刊行する出版社・oar press のウェブサイト上で連載された「oar review」。 書き手それぞれの制作や実践とも関わり合いながら執筆された文章が、書き下ろしのテキストも加わって紙の本として改めて発表されます。 第二弾となる本書は、2022年6月から2023年4月まで連載された大石一貴による『空白の味方』を収録。フランスの詩人、フランシス・ポンジュの「物の味方」からタイトルを引用した、叙情的ルポルタージュとして綴られました。 川原や郊外、果ては宇宙までの空白地帯に目を凝らして立ち上げられる、言葉の碑。眼差しの狭間に生じる力学と熱量が空を切り、明けることのない場所へ遠くその飛距離を伸ばしていきます。 – デザイン:加納大輔 --- 2024/9/20 18.2×12.8cm / Japanese only / 48 pages + 14 sheets Second book of oar press’s serial review project “oar review”. Kazuki Oishi wrote this series as a lyrical reportage observing carefully about the emptiness, referring “The Nature of Things” by the poet Francis Ponge. Mechanics and passion between the gazer nad the empty space fly through the air increasing its gravity and distance, far away to the never-ending abyss. – Design : Daisuke Kano
-
oar review #1 – 木下理子「25時のピクニック」 / Riko Kinoshita “Picnic at 25 o’clock”
¥880
*English follows Japanese. - 2024年9月20日発行 B6判(18.2×12.8cm)/48頁+図版18頁 ISBN: 978-4-910794-12-9 C0070 作家と協働してアートブックを主に刊行する出版社・oar press のウェブサイト上で連載された「oar review」。 書き手それぞれの制作や実践とも関わり合いながら執筆された文章が、書き下ろしのテキストも加わって紙の本として改めて発表されます。 第一弾となる本書は、2022年4月から同年9月まで連載された木下理子による『25時のピクニック』を収録。自身のアトリエである「25時」を舞台に、全6回の連載の中で多様なアートブックが紹介されます。 実在しない時間の名の下、ピクニックシートを広げるように様々な本を開いては自身の制作との交点を結ぶ、星座のように近くて遠いアトリエ通信です。 – デザイン:加納大輔 --- 2024/9/20 18.2×12.8cm / Japanese only / 48 pages + 18 sheets First book of oar press’s serial review project “oar review”. 25 o’clock is the name of Riko Kinoshita’s atelier, and it indicates the imaginary time and space which every artist has in their own mind. Introducing various art books as spreading picnic sheet, her serial review are written like letters from artist’s atelier, so close yet so far. – Design : Daisuke Kano
-
榎本耕一『光』/ Koichi Enomoto “Light”
¥3,960
*English follows Japanese. - 2024年2月20日発行 A4 変形(28×21cm)/日英バイリンガル/112頁/図版37点 榎本耕一の初画集。2020年から2023年までに描かれた油彩作品を収録。 古今東西のモチーフをサンプリングし、融合させながら、古代から現代までの物語を過密な情報と共に描いてきた榎本耕一。 コロナ禍の2020年以降はフォーカスする対象を今を生きる、目に見えるものに移しつつ、これまでに習得してきた技法を操りながら「現代」の都市と人々を描き残そうとしている。タイトルの「光」は、榎本が「見る」ことからそれを写しとるときにその場を駆ける光。また、絵画の制作は光をデザインすることでもある。 イメージの明滅する都市の光は同時に、原爆を想起させる漫画作品『光の中』でも表現されたように、宗教や技術によって人類が物語を紡いできた陰影の中の光とも重なり合う。現代を生きるありふれた生命、文化、または愛や友情といった、ときに反復され陳腐化し、普遍化され消滅していく存在。それらが放つ光を、作家は絵の中にとどめようとする。 本書は作品図版のほか、作家による本書に寄せたテキストに加え、マイアミ現代美術館アーティスティックディレクターのアレックス・ガルテンフェルト氏、大阪中之島美術館主任学芸員の中村史子氏の書き下ろしの論考を掲載する。 – 執筆:榎本耕一、アレックス・ガルテンフェルト、中村史子 デザイン:加納大輔 --- 2024/2/20 28×21cm / English and Japanese / 112 pages / 37 plates First monograph on Koichi Enomoto’ s paintings from 2020 to 2023. Sampling and fusing motifs from all times and places, Koichi Enomoto has depicted stories from ancient times to the present day with an overloaded information in realistic and cartoonish style. After the coronavirus pandemic since 2020, he has shifted his focus to the visible things that live in the present, manipulating the techniques to portray “modern” cities and people. The “light” of the title refers to the light that flashes through when Enomoto captures subject from “seeing” it. The artist states that it can be said that the creation of paintings is also a process of designing light. The light of the cities with flickering images overlaps to the light in shade of stories that humanity has spun through religion and technology, like as expressed in Enomoto’ s past manga work “In the Light”, which evokes the atomic bombing. The light that shines through these shadows is the light that is emanating from the commonplace life, culture, love, and friendship of our time, which sometimes become repetitive and banal, universalized and extinguished. The artist tries to preserve the light they emit in his paintings. In addition to plates of the works, the book also includes texts by the artist, and essays written by Alex Gartenfeld, Irma and Norman Braman Artistic Director of ICA Miami and by Fumiko Nakamura, senior curator of the Nakanoshima Museum of Art, Osaka. – Text by : Koichi Enomoto, Alex Gartenfeld, Fumiko Nakamura Design : Daisuke Kano
-
「吹けば風 特別版」4冊セット
¥5,800
豊田市美術館で開催された「吹けば風」展に合わせ、各参加作家の特別版カタログとして制作されたアートブック。関川航平、川角岳大、澤田華、船川翔司の4冊セット。 メインビジュアルがデザインされた限定数のスリーブ付き。(数に限りがあるため無くなり次第終了となります。) – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
『吹けば風 特別版 船川翔司』
¥1,540
2023年9月10日発行 B6変形 / 160頁 豊田市美術館で開催中の「吹けば風」展に合わせ、各参加作家の特別版カタログとして制作されたアートブック。 本書は天気を「感得」することで別の主体と入れ替わる、二つのものが一つになるなど、繋がるためのメソッドとして一貫して天気を扱ってきた船川翔司による特別版。 船川が撮影した各地の写真と4つの異なるストーリーが交錯し合い、本展で主題として扱った台風に関するフィリピンでの聞き取りや、双子の話、また自然現象や生き物の様子から天気を予測する観天望気から始まる12ヶ月分のテキストが上下に2つのタイムラインとして巡り合う。 刊行時には本の背に付けられた長いリボンには作家によって調合された太陽の匂いが染み込んでおり、また印字された番号のページを開くと、上下のタイムラインのうちにリボンを使った天気を感じるためのインストラクションが掲載される。 本書は作家の世界観を感じることのできる総譜であり、読者が天気を想像し憶えるための指示書として構成されている。 – 構成: 船川翔司 編集: 見目はる香、石田大祐 デザイン: 刈谷悠三+角田奈央[neucitora] 印刷・製本: 株式会社グラフィック – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
『吹けば風 特別版 澤田華』
¥1,540
2023年9月10日発行 B6変形 / 160頁 豊田市美術館で開催される「吹けば風」展に合わせ、各参加作家の特別版カタログとして制作されたアートブック。 本書は澤田華による特別版であり、展覧会に出品された映像を用いた作品「漂うビデオ(ナイト・オブ・ザ・リビングデッド、懐中電灯)」の画面と、「漂うビデオ(移動、裂け目、白い影)」の会場での記録写真が収録される。 複数の静止画が連続された頁をめくることで、フリップブックのように本の中に数秒の映像があたかも現れるかのように見える本書は、時間を含む映像作品の新しい展示記録の形である。また同時に映像等のメディアが立ち現れるときに、人が意識的に他の情報を除外して情報を摂取しようとしているのだという、澤田が作品内で指し示す構造がそのまま表されている。 - 構成: 澤田華 編集: 見目はる香、石田大祐 デザイン: 刈谷悠三+角田奈央[neucitora] 印刷・製本: 株式会社グラフィック – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
『吹けば風 特別版 川角岳大』
¥1,540
2023年9月10日発行 B6変形 / 232頁 豊田市美術館で開催される「吹けば風」展に合わせ、各参加作家の特別版カタログとして制作されたアートブック。 本書は川角岳大による特別版であり、「吹けば風」での出展作の制作と同時期を描くドローイングを収録する。 記憶の中にある見たものや風景を思い出しながら遠近法に依らない描き方で絵画を制作する川角は、自身が経験した出来事について、そのときの体感を等しく辿ろうとするように先ず紙やノートにドローイングを描いている。そして、絵画に描き起こすときにはドローイングを描いたときと同じそのルートを辿るように、思い返しながらキャンバスに筆を走らせる。 本書は2021年から2022年まで、川角が三重とチリに滞在した時期のドローイングのメモ帳から、そのページの順番やサイズ、紙の色もそのままに収録する。 - 構成: 川角岳大 編集: 見目はる香、石田大祐 協力: 堀口朝望、松永祐季(豊田市美術館インターン) デザイン協力: 刈谷悠三+角田奈央[neucitora] 印刷・製本: 高速印刷株式会社 – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
『吹けば風 特別版 関川航平』
¥1,540
2023年9月10日発行 B6変形 / 160頁 豊田市美術館で開催される「吹けば風」展に合わせ、各参加作家の特別版カタログとして制作されたアートブック。 本書は関川航平による特別版で、「UNDER THE SUN」と題されている。 本展で関川は展示室に大きな斜面を作り出し、会期を通してその上でパフォーマンスを行なっているが、この斜面の傾きは地軸の傾きと同じ23.4度となっている。地球に季節を生み出しているとされるこの地軸の傾きと太陽の関係への想像は、ごく実際的に本展会期が6月から9月にかかること、いわば「このひと夏」が会期中に行き過ぎることと結びついている。 物事の単位やそれらに対する認識が生ずる構造の手触りをそのままに、パフォーマンスを中心にドローイングやインスタレーションなど様々な手法で制作を行なってきた関川は、これまでの作品でも地軸と太陽の関係によって生まれる律動やその中で繰り返される営みについて幾度も引用している。 「UNDER THE SUN」は直訳すると「太陽の下」であるが、そこから転じて「この地球上で」という意味を持ち、また疑問文における強意表現として「一体全体」という使われ方もある。 本書は作家によって構成され、過去作の抜粋および作り下ろしのドローイングや写真から、一体が全体を貫くような関川のこれまでの取り組みを感じ取ることができる。 - 構成: 関川航平 編集: 見目はる香、石田大祐 デザイン協力: 刈谷悠三+角田奈央+久保海音[neucitora] 印刷・製本: 高速印刷株式会社 – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
『吹けば風』
¥2,420
2023年8月31日発行 B6変形 / 日英バイリンガル / 512頁 豊田市美術館で開催される4人の作家による展覧会、「吹けば風」のカタログ。 展覧会タイトルは、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の一節「咲いたら花だった 吹いたら風だった」に由来する。 認知する以前の、得体の知れないものや感覚を肯定するかのような大らかな心構えのこの詩から始まる「吹けば風」は、通常は見過ごされ、忘れ去られてしまうようなささやかな経験、ほんの僅かな間だけ意識にとどまる小さな発見に着目し、その体験を見つめなおす。 日常や旅先での体験を通じて、なにかを感じとるときに生じる変化や差異に鋭敏に反応しながら、それらを観察し、見る人の認知や感覚を研ぎ澄まさせる4人の作家の作品から、本展は世界をあらためて新鮮な感性でまなざそうとするものである。 本書はインスタレーションビューを中心にカラーとモノクロの多数の図版で構成され、展示室を吹き抜けるように鑑賞することができ、その連続性のなかであらたな展示体験を得られるカタログとして構成されている。新書サイズのささやかな判型のなかで、片手でページをパラパラとめくることも、見開いてつぶさに読み込むこともできるように、複数の時間が折り重なる。 各作家へのインタビューのほか、企画者である石田大祐(豊田市美術館学芸員)をはじめ、美学研究者の森功次、詩人の大崎清夏、視覚文化/メディア研究を行う佐藤守弘による書き下ろしの論考を収録する。 - インタビュー: 川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 寄稿: 石田大祐、森功次、大崎清夏、佐藤守弘 デザイン: 刈谷悠三+角田奈央[neucitora] 印刷・製本: 高速印刷株式会社 – 展示情報 「吹けば風」 参加作家:川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司 2023年6月27日(火)- 9月24日(日) 会場: 豊田市美術館
-
遠藤麻衣 / Mai Endo"Scraps of Defending Reanimated Marilyn"
¥2,860
*English follows Japanese. - 2023年4月14日発行 B5判 / 日英バイリンガル / 154頁 / 発行人:紙魚プロジェクト デザイン:畑ユリエ 俳優・美術家の遠藤麻衣の架空の裁判作品《現代に転生したマリリンを僕は弁護りたい》(2021-2023)を中心に、公立美術館での生身の身体を用いたパフォーマンスへの表現規制についてのテキストを収録するアーティストブック。 作品の本体は訴訟文書であり、遠藤の実体験から派生しながら、もしそのような場で生身の身体の表現に規制が入り、それを作家が訴えたときにどのような法的整理がなされるかについて、法律専門家の監修の下、現実に機能する書面として制作された。 本書はこの事件を中心に、キュレーターやアーティスト、弁護士からの寄稿や聞き取りを収録し、現実と虚構の入り混じるイマジナリーなスクラップブックとして構成されている。 – 収録内容: -遠藤麻衣《現代に転生したマリリンを僕は弁護りたい》(2021-2023) -成相肇「言語的ダイエット」 -中村史子「8歳下の学芸員が裸体表現に挑みたいと相談してきたとせよ」 -丸山美佳「展示される身体」 -谷口太規「不可視なものの輪郭、法そして身体」 -日原聖子「遠藤麻衣の訴えに寄せて」 -小勝禮子×蔵屋美香×根来美和鼎談「ヌード表現の歴史と、あくまで特殊な場所としての美術館 」 -根来美和「鼎談後記:美術館の公共性と性規範をめぐって」 -岡田裕子×小林勇輝×内海潤也鼎談「パフォーマンスアートのこれから」 -西村由美子「イトー・ターリさんの思い出から 」 -Editor’s note – 紙魚プロジェクト| Shimi Project 身体や表現の規制や忘却、またそのアーカイブについての長期的調査と、法学的視座や国際的で多角的な研究プロジェクトとして、アーティストの遠藤麻衣、キュレータ ーの丸山美佳、出版レーベルを主宰する見目はる香によって、2021年から活動を開始。 - First edition: 14/04/2023 English version: 30/03/2024 25.7×18.2cm, English and Japanes, 154pages Book Design: Yurie Hata - The artist book "Scraps of Defending Reanimated Marilyn" contains Mai Endo's fictional lawsuit work "Defending Reanimated Marilyn" (2021-2023) and writings and discussions on regulation of nude performances in Japanese public museums. - Contents - Mai Endo "Defending Reanimated Marilyn" (2021-2023) - Essays: Motoki Taniguchi, Hajime Nariai, Fumiko Nakamura, Seiko Hihara, Mika Maruyama Roundtable Discussions: Reiko Kokatsu×Mika Kuraya×Miwa Negoro, Hiroko Okada×Yuki Kobayashi×Junya Utsumi Interview with: Yumiko Nishimura Editor's note
-
【限定販売】水上愛美、神農理恵『Heptapod Solresol Ruins』エディションワーク付き
¥5,170
※エディションワーク付き 2023年3月25日発行 A5 / テキストパート56頁、図版パート52頁 (計108頁) 2022年3月に京都のVOU/棒ギャラリーで開催された、水上愛美と神農理恵の二人展「Heptapod Solresol Ruins」の記録集。 東京近郊を拠点とする二人のアーティストの作品を関西圏で展示形式で紹介する初の機会であった本展は、物質を媒介に未知の他者と遭遇/交信することを起点に企画され、両作家ともに本展に向けた新作を制作するほかに、新たな取り組みとして水上は天文学者の藤田智弘氏と共作した熱で図像がわかる新作、神農はウミネコの声を用いた新作インスタレーションを出品した。 本書は展示期間中/期間後に開催されたアーティスト・トーク及び、共作者の藤田智弘と、詩人のカニエ・ナハによるレビューを収録する。 – 出展作家: 水上愛美、神農理恵 寄稿: 藤田智弘(天文学者)、カニエ・ナハ(詩人) テキスト: 水上愛美、神農理恵、黒木結、見目はる香 撮影: 前谷開、明津設計 デザイン: 明津設計 協力: VOU/棒ギャラリー – 水上愛美、神農理恵 「Heptapod Solresol Ruins / Edition Work」 制作年: 2022 サイズ: 1片 約20×6cm エディション: 30 税込価格: 3,300円 水上愛美と神農理恵による共作。展覧会会場で鉄板にプラズマやスプレーで加工、絵付け、彩色し、30ピースに切断している。発掘される土器の破片のように、ひと繋がりの作品が散り散りの断片となる。 裏面には二人の作家のサインとエディションナンバーが記されている。 *30ピースの内、1ピースがセットとなります。残数僅かのため、ご希望の方はお早めにご注文ください。VOU/棒ギャラリーとoar pressでの限定販売となります。 – 展示情報 水上愛美、神農理恵 「Heptapod Solresol Ruins」 2022年3月5日(土)- 3月27日(日) 会場: VOU/棒 1Fギャラリー
-
水上愛美、神農理恵『Heptapod Solresol Ruins』
¥1,870
2023年3月25日発行 A5 / テキストパート56頁、図版パート52頁 (計108頁) 2022年3月に京都のVOU/棒ギャラリーで開催された、水上愛美と神農理恵の二人展「Heptapod Solresol Ruins」の記録集。 東京近郊を拠点とする二人のアーティストの作品を関西圏で展示形式で紹介する初の機会であった本展は、物質を媒介に未知の他者と遭遇/交信することを起点に企画され、両作家ともに本展に向けた新作を制作するほかに、新たな取り組みとして水上は天文学者の藤田智弘氏と共作した熱で図像がわかる新作、神農はウミネコの声を用いた新作インスタレーションを出品した。 本書は展示期間中/期間後に開催されたアーティスト・トーク及び、共作者の藤田智弘と、詩人のカニエ・ナハによるレビューを収録する。 - 出展作家: 水上愛美、神農理恵 寄稿: 藤田智弘(天文学者)、カニエ・ナハ(詩人) テキスト: 水上愛美、神農理恵、黒木結、見目はる香 撮影: 前谷開、明津設計 デザイン: 明津設計 協力: VOU/棒ギャラリー – 展示情報 水上愛美、神農理恵 「Heptapod Solresol Ruins」 2022年3月5日(土)- 3月27日(日) 会場: VOU/棒 1Fギャラリー
-
奥誠之『ドゥーリアの舟』
¥2,420
2022年6月30日発行 B5変形 / 160 頁 奥誠之の初となるエッセイを掲載した作品集。 奥誠之は、社会や暮らしにおける芸術の居場所を考察しながら、画廊だけでなく時には個人宅やマルシェなどでも作品を展開している。 具象にも抽象にも見えるその作品内では、淡い混色の画面の中で人や動物が独りきり、または寄り添っている姿が情景と混ざり合うように描かれる。 小さなパネルやカセットテープサイズの絵画など、形態としても生活に寄り添う作品を制作する他、それらを飾る什器の共同開発や展覧会、読書会の企画も行っている。 本作『ドゥーリアの舟』では、美術大学を卒業後、現代美術の展覧会にも参加しながらも、絵画を基軸に生活や社会と美術の関係を問いかける独自の活動を行ってきた作者が「絵描き」となった経緯や制作、社会における絵画について綴られた17篇のエッセイと作品とが掲載される。 「視界の開けた丘を、海を横目にゆっくりと下っていく。海から吹く強い風も、もう煩わしくはない。あなたはそれを受け入れている。身体が草木の揺れと調和するのを感じる。一つ一つの草木にあたるその光は、あなたの傷を一つ一つ確かめるようにして癒してくれる。海底と頂きが、天と海が、入れ替わる。今は辛くともきっと大丈夫。あなたは舟になって、もう一度この世界を自由に動くことができる。」 (本文より/「お祈りの言葉」) - 寄稿: 大久保あり、西川日満里 デザイン: 加納大輔 印刷: NEUTRAL COLORS、グラフィック 製本: 八紘美術 ※本作品集は手作業の工程を多く含む本のため、在庫数によっては発送に時間を要する場合がございます。
-
水上愛美『cahtarsis bed』/ Emi Mizukami “catharsis bed”
¥2,200
*English follows Japanese. - 2022年1月18日発行 B5判 / 日英バイリンガル / 54 頁 水上愛美の初作品集。 最古の砂漠の砂などを混ぜたサンドペーストを塗り重ね、神話や物語を引用した作品を描く水上愛美は、中層に描いた絵をわざと塗り潰して完全に不可視にすることで制作当初から計算したいくつものレイヤーを絵画の内部に包含させ、地層のような時間とイメージを堆積させる。それら一連の作品には不可視な過去未来も同時に存在する、多次元世界への作家の関心が現れている。 本作品集『catharsis bed』はそのような水上の作品構造を解読する手がかりともなるカタログとして制作されている。 絵画作品の表面 / 隠された中層にまつわるドローイング / 絵画の背面が全てひと繋がりの紙面に掲載されながらも、あくまで全貌は見通せないよう設計され、また作品を紐解く中尾拓哉執筆の論考も、作品の表・中・裏の構造と呼応した3層の文章として展開される。 古代から続く伝承や文学、歴史上の寓話や悲劇を引用し、時に孤独な生活者たちを描く作家は、悲哀を重ねる人類の物語を絵画平面の上に積み起こす。 絵画を観るという経験が一対一の個人的なものでしかあり得ないなかで、しかしその画面の向こうに見通せない他者や異層の物語がいくつも確かに存在しているとすることにより、私たちの想像力をさらにもう一層先の次元へと委ねさせながら、水上の作品は絵画の持つ物質的な情報可能性を増大させる。 実在不可視の物語の主人公たちは想像の中で絡み合い、そこにひとつの多元的なイメージが結ばれるとき、それは見る者の内奥にある感覚や記憶、時間と空間とが混じり合ったさらに複層的な絵画体験となる。 - 執筆:中尾拓哉 デザイン:刈谷悠三+角田奈央/neucitora --- 2022/1/18 B5 / English and Japanese / 54 pages First catalogue of Emi Mizukami. Emi Mizukami, who draws myths and stories by applying layers of sand paste mixed with the oldest desert sand and other materials, intentionally paints over the middle layer of the painting to make it completely invisible. Calculating from the beginning, thereby Mizukami makes several layers in her painting and depositing time and images like a geological stratum inside the painting. These series of works show the artist’s interest in a multidimensional world where the invisible past and future exist at the same time. This catalogue “catharsis bed” provides clues to decipher the structure of Mizukami’s works. In the book, the surface of the paintings, the drawings related to the hidden middle layer, and the behinds of the paintings are all printed on a single paper, but the entire range of pictures is designed to be unseen. Takuya Nakao’s essay, which unravels the work, also unfolds as a three-layered text that corresponds to the front, middle, and back structure of the painting. Drawing on ancient folklore, literature, historical fables and tragedies, the artist, who sometimes depicts lonesome ordinary peoples, piles up the stories of human beings on the picture plane, layering them with sorrow. While the experience of appreciating a painting can only be a one-on-one personal one, Mizukami’s works increase the material informational potential of the painting by assuming that there are certainly many stories of others and different layers which we cannot see beyond the picture plane, letting our imagination go to a further dimension. The protagonists of the invisible real stories intertwine in the imagination, and when a multifaceted image is created there, it becomes more multilayered experience of appreciating paintings that blends the viewer’s innermost senses, memories, time and space. – Essay by :Takuya Nakao Design :Yuzo Kariya+Nao Kakuta / neucitora
-
若林菜穂『日々草』
¥1,320
2022年1月10日発行 29.7×21×0.3cm / 58 頁 若林菜穂による、印刷物としては初めてのアーティストブック。 若林菜穂は写真を用いたコラージュをもとに、時間や空間、記憶の狭間に茫洋と浮かぶイメージを捉え、絵画へ描き起こす作家である。 主に絵画の下図として、日常や旅先で撮り溜めたスナップ写真を印刷したものや、カラーペーパー等を用いたコラージュを制作する。そのコラージュをもとに、印刷物としてのざらつきやスクリーン上でのデジタルな明度や解像度、さらには記憶を調合しながら、あくまで一枚の絵画へとイメージを統合して描き出す。そのモチーフは建物や食卓、花や陽光、ぬいぐるみや遊具、川のきらめきや街灯など、私たちが日々通り過ぎたものと、これから行く先々で出逢うだろう様々な導き手に溢れている。 今回発行するアーティストブック『日々草』は、若林のコラージュの取り組みを本の形式で発表するものとなっている。これまでに手作りのコラージュブックも幾度か制作してきた若林だが、今回の本は初めての試みとしてテキストを中心に構成される。不可思議でありながらどこか見知っているようなイメージと、日々の断片のような作家の文章とがスライドのように交錯し、時系列に刻まれるコラージュのように、画と言葉とが網膜や記憶をとおして結ばれる。 初版500部のうち50部はエディションワーク付きとなり、1点ずつ図像の異なるミニフォトコラージュが同封される。 ※エディションワーク付きは先着販売、無くなり次第終了となります。